茗溪学園は、筑波研究学園都市の南端に位置し、国内外から生徒を募り世界的に活躍する人材育成を建学の理念として1979年に設立された。この建築はその創立30周年に伴い起案され、2016年文部科学省によるIB(国際バカロレア)プログラムの指定校認可を機に、卒業生として計画に参加する機会を得て実現した。

建築計画は明快で機能的であることが求められ、1階エントランスには生徒と留学生や教師達の交流の場となるエントランスラウンジ、その先は多様に変化するIBプログラムに応じて間仕切ることが可能な小教室群とIB理科実験室を中廊下形式で配置した。吹抜けの鉄骨吊階段を上階へ進むと、美術や研究の展示ギャラリーを兼ねるホワイエを経て、様々な目的に応じて客席構成を換えることが可能な「Agora Hall」へ至る。
ホールは最大一学年収容可能な300席を移動観覧席とスタッキングチェアで用意し、講演、演奏、演劇、展示、懇親といった学校の催しに加え、併設されている学寮の集会場としても夜間や休日まで高い利用頻度が想定された。ホールの音響計画は、響きに歪みやクセを避けることを目指し、外周をALCとGWで遮音処置を施した上で、演壇側壁と天井を傾斜させることで客席へ音を伝え、窓や吸音パネルの正対を避けランダムに配置させることで響きのクセを避けている。施設利用を始めてから、特に室内楽の定期演奏の音環境として非常に満足されているとの評価を得ることが出来た。

内外装は、生徒それぞれの個性を伸ばし世界へと巣立っていく生徒の学びの場として、筑波の固有の風土と四季に由来する日本の伝統色で特徴付けている。留学生も増加し交流や発表の学びの場として教育プログラムの活性化を目指して実現したこの建築は、建学の理念を日々実践し継承する中核的な役割を果たすことを願い、ギリシャの賢人が交流したAgoraに因んでAgora棟と命名された。

Meikei High School was established in Tsukuba Science City with the aim of developing human resources who can play an active role in the world.
This project was realized on the 30th anniversary of its establishment and the occasion of the certification as an International Baccalaureate School.

On the ground floor there is a lounge ,IB Chemistry Lab and small classrooms separated by movable walls for various educational programs. On the upper floor there is a gallery and multipurpose "Agora Hall" with 300 movable seats. The colors of exterior and interior are characterized by the traditional Japanese colors derived from climate and four seasons in Tsukuba . It is for students who study in Tsukuba, develop their individuality, and set out for the world.
This architecture, which aims to play a central role in practicing and passing on the founding principles on a daily basis, was named after Agora, where Greek sages interacted.